
熊本市北区にある「別所琴平神社」は、鎌倉期創建の歴史が息づく、商売繁盛で知られる神社です。
鮮やかな朱色の鳥居、愛嬌のある狛犬、拝殿を見守る大きな天狗面、さらに境内奥には静寂に包まれた石庭や、多彩なおみくじ・御守が並ぶブースも。
アクセスしやすい立地ながら、境内にはしっかりとした清々しさが残され、ゆったり参拝・散策を楽しみたい方にぴったり。
本記事では、境内の雰囲気・ご利益・見どころを写真とともに詳しく紹介します。
・熊本市中央区の住宅街に佇む、静かな琴平信仰の神社
・大物主大神を祀り、厄除け・海上安全・商売繁盛などにご利益
・月替わり御朱印が人気
Contents
別所琴平神社の概要
| 名称: | 別所琴平神社 |
|---|---|
| 読み方 | べっしょことひらじんじゃ |
| 住所 | 〒860-0814 熊本県熊本市中央区琴平本町12-27 |
| 創業 | 1711年 – 1716年 鎌倉時代頃(諸説) |
| 電話番号 | 096-366-7963 |
| 参拝可能時間 | 24時間 |
| 社務所受付時間 | 9:00〜17:00 |
| 御朱印有無 | あり(直書き・書き置き) |
| 駐車場 | 無料:約30台ほど |
| 例祭日 | 10月10日 |
| 公式サイト | https://bessho-kotohirajinjya.or.jp/ |
| 公式instagram | https://www.instagram.com/bessho_kotohirajinja/ |
別所琴平神社のアクセス方法・行き方
・JR「南熊本駅」から徒歩約8〜10分
・JR「平成駅」から徒歩約8〜11分
経路

別所琴平神社のシンボルである大きな朱色の鳥居を、車道側から撮影。
前面には大通り(県道28号線)が走り、市街地に位置するアクセスしやすい神社であることが分かります。
駐車場

朱色の大鳥居から、入り込んだ先に駐車場があります。
車でお越しの場合は、鳥居前から減速するとわかりやすいです。

大鳥居を抜けた先の境内の駐車場。
駐車場は綺麗に整備されているため、停めやすいです。
稲荷神

駐車場近くに祀られた、稲荷神の小祠。
石造りの社に紙垂が下げられ、左右に榊が供えられています。
内部には白狐の像が安置され、五穀豊穣・商売繁盛の神として信仰される。
素朴ながら神聖な雰囲気を放ち、参拝時に静かに手を合わせたいスポット。
猿田彦谷

稲荷神の祠に隣接する「猿田彦神」を祀る石碑。
石柱に注連縄が掛けられ、祠の前には「火の神」と書かれた提灯が掲げられています。
猿田彦神は道開きの神として知られ、方位除けや厄除けのご神徳を持つ。
日々の無事・安全を願う地域信仰の深さが伝わる一角。
天満宮

同じく境内に祀られている天満宮の祠。
「天満宮」の立札が添えられ、中央の石碑には「天満宮」の文字が記されています。
学問の神・菅原道真公を祀る小祠で、受験や学業成就を願う参拝者に親しまれている。
右側には絵馬掛けが見え、願いが込められた絵馬が奉納されている様子がうかがえる。
別所琴平神社の由緒・御祭神・御利益
由緒・歴史

別所琴平神社は、鎌倉時代に創建された「瑞応山善光寺」の鎮守として、金比羅大権現(こんぴらだいごんげん)をお祀りしたことに始まります。
それ以来、地域の人々から「別所のこんぴらさん」として親しまれ、今日まで信仰が受け継がれています。
主祭神である大物主大神(おおものぬしのおおかみ)は、古代より“幸魂(さきみたま)”と“奇魂(くしみたま)”という二つの霊力を持つ神様として知られています。
幸魂は、私たち人間の生活を豊かにし、幸福をもたらす力。
奇魂は、目に見えない心や精神の世界を司り、日々不思議な導きを与えてくださる力です。
この二つの働きを通して、大物主大神は多くの神々を導く存在であり、すべての生命に平安と幸福を授ける「守護の祖神(しゅごのそしん)」とされています。
願いを込めて祈れば、正しい道へと導き、心の安らぎとご加護を授けてくださる、そんな神様です。
御祭神

| 大物主大神 | 奈良の三輪山を中心に古くから信仰されてきた神で、大国主神の“穏やかな働き(和御魂)”とされることが多い存在。国づくりを進める際、人々を守り導いた神として語られており、病気平癒や商売繁盛、災難除け、良縁など、多方面で力を発揮すると信じられる。 |
| 小彦名神 | とても小柄な姿をしていると伝わる神でありながら、医療・薬・農業・温泉など人々の暮らしに大きく貢献した神として知られる。大国主神とともに国づくりを進め、人々の生活基盤を整えたと伝えられる。 |
| 大山津見神 | 山そのものの力を象徴する神で、山林・鉱山・狩猟・雨など自然全般を司る。山は古来、人々に恵みを与える一方、厳しい面も併せ持つ存在。そのため、山の神である大山津見神は、自然への畏敬と恵みへの感謝を象徴する存在として信仰される。 |
| 金山彦神 | 金属や鉱山をつかさどる神として知られ、ものづくりの技術に深く関わる神。採鉱や鍛冶など、火と金属を扱う仕事に携わる人々から古くより信仰され、工業や職人の仕事を支える存在。 |
| 崇徳天皇 | 平安時代の天皇で、保元の乱に敗れた後、讃岐へ移り住み、その地で生涯を終える。亡くなった後、世の乱れと結びつけられ、怨霊として恐れられましたが、のちに鎮魂され、安寧をもたらす神として祀られるようになった。 |
| 大己貴大神 | 大国主神の別名で、国づくりに深く関わった神。多くの神々や小彦名神と協力して国土を整え、人々の暮らしの基盤を築く。とりわけ“縁結びの神”としてよく知られており、恋愛はもちろん、仕事や人間関係など、あらゆる縁を結ぶ力があると信じられる。 |
御利益
| ご利益 | ・家内安全・無病息災・厄除開運・除災招福・海上安全・五穀豊穣 |
別所琴平神社の御朱印
社務所

社殿前には白い特設テントがあり、左側に広がる授与所があります。
階段を上がると拝殿へ向かう導線です。

別所琴平神社の授与所は、御守・御札・縁起物が整然と並べられ、月替り御朱印の案内も掲示されています。
木製格子の佇まいが温かく、昔ながらの雰囲気が感じられる授与スペースです。

デザインごとに500円・1,000円など値段が提示されており、季節感ある朱印が多数頒布されています。
中には秋の草花を表現した御朱印や、色紙風の美しい書体が見られます。

訪問した際の社務所内掲示板に貼り出された、霜月(11月)の御朱印一覧です。
複数種類が用意されており、番号付けがされているため選びやすい仕様で安心感があります。
季節の草花や天狗など、特色あるデザインが魅力的です。

月替り御朱印に加え、招福守などの授与品が並べられたテーブルです。
「一粒万倍日」「招福円満御守」など、開運系の授与品が目を引きます。

授与所奥のカウンター周りも御朱印やご朱印帳が豊富。
もし宮司さんがいらっしゃらない場合は、目の前にあるベルを押すと良いです。
御朱印

ご朱印帳は黒く熊本市から「別所琴平神社」の配置がわかるような表紙です。

秋の季節感をあしらった彩り豊かなデザインで、紅葉や草花、天狗などをモチーフとしたバリエーション。
それぞれの御朱印が丁寧に描かれ、月替わり御朱印が人気です。
初穂料は種類により異なります。
一般的なものは直書きで頂けますが、書き置きでの受領も可能です。
おみくじ

白いテントの下に設けられた、おみくじ授与所の様子。
長いテーブルに赤い布がかけられ、箱型のおみくじがずらりと並びます。
前面には折りたたみ椅子が並べられ、参拝者が座れるよう配慮されています。

木製の箱にさまざまなモチーフのおみくじが陳列されています。
・招き猫おみくじ
・ニコピン(動物モチーフ)おみくじ
など、かわいらしいデザインのおみくじが多く、ご利益とともに持ち帰りたくなる仕様です。

おみくじスペースの一角には、来客をもてなすお茶コーナーが設置されています。
紙コップと電気ポットが置かれ、
「ご接待 どうぞお召し上がり下さい」
と案内文が添えられています。
参拝者への気遣いが感じられる、温かみのあるサービスです。
お守り

別所琴平神社で授与されている「幸運黄金御守(こううん・おうごんおまもり)」の案内看板。
金色の布地に「金」の文字が大きく施された、幸運黄金な向上にご利益があるお守りで、特別祈願が込められていることが記されています。
境内の参道沿いに掲示されており、拝殿へ向かう途中で目に留まる設置場所となっています。
別所琴平神社の境内の様子
鳥居

別所琴平神社の入口に建つ、鮮やかな朱色の大鳥居。
国道3号線沿いに面し、アクセスしやすい立地のため、境内を象徴するランドマークとして非常に目立ちます。
鳥居中央の額には、「金刀比羅宮」と掲げられ、海上安全・商売繁盛の神として知られる琴平信仰(香川県こんぴらさん)とのつながりが感じられます。
参道

別所琴平神社の参道を正面から撮影した一枚。
左右には一対の狛犬が鎮座し、参拝者を迎えてくれます。
手前には「下乗(げじょう)」の案内板が置かれ、ここからは敬意を払って歩みを進める場所であることがわかります。
狛犬

境内の参道脇に据えられた、比較的新しい狛犬像。
口を開いた“阿形(あぎょう)”で、力強い表情が特徴です。

対となる狛犬で、口を閉じた“吽形(うんぎょう)”。
円みのある体つきと堂々とした姿が、参道の入口を守護するように佇みます。

風雨にさらされて苔むした、古い狛犬像。
歴史を感じさせる佇まいで、参拝者を長年見守ってきた様子がうかがえます。

対となる狛犬で、こちらも年月を感じさせる落ち着いた風格。
石肌に苔が付き、長い歴史をその身に刻んでいます。
打手水

別所琴平神社の打手水は参拝前に身と心を清めるための場所で、正面には大きく「洗心(せんしん)」の文字が刻まれています。
“身体だけでなく心も浄める”という意味を込めた言葉で、心身を整えて参拝へ向かう姿勢を示す象徴的なスポットです。

手水舎の水口には龍の像が据えられ、清浄な水が注がれています。
柄杓には「奉納」の文字が刻まれ、ていねいに整えられて並ぶ姿は清々しい印象です。
また、手水の周りには黄色の装飾が飾られており、金運スポットらしい“黄金”をイメージした彩りが特徴的。
本堂

別所琴平神社の拝殿は、落ち着いた木造建築に、重厚な屋根としめ縄が印象的です。
正面には「財・淨」と記された木板があり、幸運祈願の神社としての特色が感じられます。
別所琴平神社の拝殿を見上げると、左右に大きな天狗面が掲げられています。
天狗が祀られる背景には、古くから続く「こんぴら信仰」と修験道の影響があると伝えられています。
山岳修行を行う修験者にとって、険しい山々を自由に行き来すると信じられた天狗は、神さまの眷属として大切に扱われてきました。
戦国時代末期、こんぴら信仰を広めた僧・金剛坊宥盛が、最期の際に「神体を守り抜く」と誓い、その後天狗になったという伝説もあります。
さらに江戸時代には、巨大な天狗面を背負ったこんぴら道者が全国を巡り、信仰を広めたという逸話も残されています。

拝殿の左側上部に掲げられた緑色の天狗。
鋭いまなざしと鳥のくちばしのような口元が特徴で、神の化身となって空を飛び回り、海で遭難した人を助けたという伝承が語られています。
こんぴらさまは古くから海の神として信仰されてきたことから、この烏天狗は航海の安全や旅の無事を願う象徴として大切にされてきました。
海に生きる人々にとって、道を失った時に助けてくれる存在として寄り添い続けました。

拝殿右側上部に掲げられた赤い天狗面は、一般にイメージされる天狗姿に近く、高く伸びた鼻が印象的です。
こちらも神の化身として山に現れ、人々が遭難した時に救ったという伝承が残されています。
険しい山で迷った旅人を守り導く存在として信じられてきた大天狗は、災いを祓い、難を逃れる象徴でもあります。

拝殿内部の中央には御幣(おんべ)と神様へ奉る祭具が整然と並びます。
朱色の絨毯、太鼓、鈴などが見え、厳かな空気が漂う神聖な空間であることが伝わります。
絵馬

境内に設置された絵馬掛け(絵馬所)の全景です。
多数の絵馬が整然と吊るされており、参拝者の祈りが集まる神聖な空間となっています。
駐車場側に面しており、日当たりがよく、明るい雰囲気が印象的です。

絵馬は、「金」「合格祈願」「開運厄除」など、願意が印刷されたカラフルな絵馬が特徴的です。
天狗や烏天狗の顔がデザインされており、別所琴平神社の個性を感じられます。
学業成就・開運など幅広い願いが寄せられている様子が分かります。
祈願所

この写真は、境内奥にある建物へ続く箇所があります。
中央の立札には「石庭」と書かれており、参拝者を奥の施設へ案内しています。
右側には大きな樹木、手前には石柵が並んでおり、神社らしい落ち着いた雰囲気が漂います。

こちらは「別所琴平神社」と書かれた看板が掲げられた木造の受付/祈願所入口です。
建物の正面中央には御神輿が見え、神事や祈祷関連で使用される場所であることが分かります。

中へ進むと、赤い絨毯が敷かれた畳空間が広がっています。
椅子が整然と並び、祈祷や儀式を行うための場として設えられていることが分かります。
奥には収納棚や装飾などがあり、落ち着いた和の空間となっています。

こちらは装飾の美しい御神輿(みこし)が単体で安置されている様子です。
赤・金を基調とした豪華な作りで、祭礼で担がれる神輿と思われます。
脇には大きな白花の供え物が飾られ、荘厳な雰囲気が漂います。

祈祷所建物の側面と思われる場所で、縁側から石庭(枯山水)を眺めることができます。
外と内をつなぐ静かな空間で、腰掛けて庭を鑑賞できるようになっています。

美しい枯山水庭園の全景。
大小の石が点在し、周囲は砂利が丁寧に整えられて、同心円状に波紋が描かれています。
石庭は静寂・精神統一・心を落ち着ける場所として設置されていることが多く、境内の中でも特に神聖さを感じるエリアです。
別所琴平神社のギャラリー

































