
熊本・上天草の沖合に浮かぶ小さな島「湯島」。
猫が人より多いことから“猫島”として親しまれていますが、この島にはもう一つの顔があります。
それが、弘安6年(1283年)に創建された歴史ある「湯島 諏訪神社」です。
長崎諏訪大社から分霊を受けた由緒正しい神社であり、学業成就や勝運・強運のご利益があると伝えられています。
さらに、江戸時代の「天草・島原の乱」の計画が練られた地として「談合島」とも呼ばれ、歴史の舞台ともなった場所です。
・島原湾に浮かぶ「猫島」に鎮座する唯一の神社
・「談合島」の舞台となった歴史的背景
・境内には天草四郎ゆかりの鍛冶水盤も
Contents
諏訪神社の概要
名称: | 湯島 諏訪神社 |
---|---|
読み方 | ゆしま すわじんじゃ |
住所 | 〒869-3711 熊本県上天草市大矢野町湯島336 |
創業 | 弘安6年(1283) |
電話番号 | 0964-56-0347(熊本県神社庁掲載の連絡先) |
参拝可能時間 | – |
社務所受付時間 | – |
御朱印有無 | – |
駐車場 | 島内は徒歩参拝が基本 (湯島へは上天草市・江樋戸港から定期船で約25分/港周辺に駐車場) |
例祭日 | – |
公式サイト | – |
公式instagram | – |
諏訪神社のアクセス方法・行き方
・熊本駅から江樋戸漁港まで車で約1時間10分
・道の駅 上天草さんぱーるから徒歩で約12分
経路
道の駅 上天草さんぱーるを目印に右折し、江樋戸漁港を目指します。
道の駅のお店が空いていない時間帯はお手洗いを済ませておくと良いです。
ここまで来たら、船乗り場まで車で1~2分で港に到着します。
湯島(猫島)には、お店など無いに等しいので必要なものは持参が良いです。
真夏で暑いせいか自販機すらも、売り切ればかりでした。
船の中は現金でお金払うシステムでキャッシュレスはNGなため、現金を持っておくことが大事です。
海沿いに走ると、小屋の船待ち場が見えてきます。
無料駐車場に車を止めて、船に乗ります。
船乗り場
待ち合いの小屋がありますが、船が着いたら乗り込んで待つことができます。
待合室の中は、扇風機と椅子のある簡素なものです。
午前中に湯島へ行く場合は、8:15で船が発信します。
所要時間は25分、大人は片道800円、往復1600円は必要です。
定刻になると船が着きます。
座席は自由ですので早めに入り、好みの席を確保した方が良いかと思います。
船室は前方はカーペット(荷物置き場のよう)、後方は座席あります
いずれもエアコンはありますが効きはそれほどでもありません。
後方のデッキは風があり、夏に乗ると快適でした。
エアコンのある室内よりも快適かもしれません。
ただし、冬はかなり寒いでしょう。
船代は中で回収されます。
湯島に到着
湯島港を降り立つと、まず目に入るのが湯島案内図です。
この看板で、島内の主要スポットを確認できます。
諏訪神社は案内図中央、灯台のすぐそばに位置しています。
案内図から歩いてすぐ湯島福神像のある広場へ。
ここは湯島名物・猫たちの憩いの場で、いつも数匹の猫がのんびりとお出迎えしてくれます。
ここで少し休憩して、猫とふれあう時間も素敵ですよ。
猫たちのたまり場を後にして、緩やかな坂道を登ります。
この辺りは昔ながらの民家が並ぶ、どこか懐かしさの残る風景。
静かな坂道をゆっくりと歩いていきましょう。
神社への道は狭い道に坂道が続きます。
進んでいくと、青い案内看板(諏訪神社 直進)が出てきます。
この看板を目印に、そのまま細い坂道を登ってください。
諏訪神社の由緒・御祭神・御利益
由緒・歴史
島原湾のほぼ中央に位置する小さな島、湯島の南側山沿いに鎮座しております。
長崎諏訪大社から分霊奉祀された湯島で唯一の神社と言われています。
猫が島民より多いといわれ、別名「猫島」とも言われ、又、江戸時代初期におこった「天草・島原の乱」(1637~1638)の計画は中間のこの島に集合して練られました。
それで、「談合島」とも呼ばれるようです。
御祭神
建御名方神 | オオクニヌシの御子神。出雲の国譲りのときに、武の神タケミカヅチに果敢にも挑み、諏訪の地に封じ込められてしまった神。 |
御利益
ご利益 | 学業成就、勝運・強運 |
諏訪神社の御朱印
社務所
なし
御朱印
なし
お守り
なし
諏訪神社の境内の様子
鳥居
天草諸島の沖合に浮かぶ「湯島」に鎮座する諏訪神社には、訪れる人を厳かに迎えるふたつの鳥居があります。
一の鳥居は、港から海岸沿いに歩いた先に建っており、石段の上にそびえ立ちます。
刻まれた「諏訪大明神」の扁額と、長年の風雨にさらされ苔むした柱が、湯島の信仰の深さと歴史を物語っています。
さらに石段を上った先には、拝殿を前にした二の鳥居が現れます。
こちらには「諏訪神社」の扁額が掲げられ、神域の核心へと導く神聖な門として佇んでいます。
両脇には奉納者の名が刻まれており、地域の人々の信仰の証とも言える存在です。
打手水
諏訪神社の石段横に設置された打手水(ちょうず)は、参拝前に手や口を清めるための場所です。
本来は神聖な儀式の一部として、参拝者が心身を清めてからお参りをするために使われます。
湯島諏訪神社ではその場所にもほのぼのとした空気が流れています。
手水鉢の縁には、地域で愛される猫がのんびりと身を預け、竹の柄杓や清水のそばでくつろぐ様子が見られました。
狛犬
阿形(右側)は、口を大きく開けて「阿(あ)」の音を発し、始まりを表現しています。
吽形(左側)は、口を閉じて「吽(うん)」の音を表し、終わりを示します。
いずれの狛犬も胸を張り、しっかりと前を見据えた堂々たる佇まいで、神域を守護する役割を果たしています。
銀否
このイチョウは古くから島民に親しまれ、神木として信仰されてきた存在で、「ふるさと熊本の樹木」にも登録されています。
特に秋になると、たわわに実る銀杏の実が、訪れる人々に自然の恵みと季節の移ろいを感じさせてくれます。
本堂
拝殿正面には立派な注連縄が掛かり、参拝者を迎え入れるように佇んでいます。
静かな境内に差し込む木漏れ日と、木の香りに包まれたこの空間は、まさに心を整える場。
石段を登った先にある拝殿では、地元の方に親しまれている猫たちが出迎えてくれることもあります。
金比比羅神社由緒
湯島の小高い丘に佇む「金刀比羅(ことひら)神社」は、海上安全・漁業繁栄を祈る島民の信仰の拠り所として、古くから大切にされてきました。
祭神は大物主命(おおものぬしのみこと)で、讃岐の金刀比羅宮からの勧請とされています。
湯島帰り
澄んだ青空と穏やかな海に見送られながら、名残惜しさを胸に湯島を後にします。
猫たちの姿が残る港が遠ざかり、島の緑と家並みが次第に小さくなっていきます。
島には、豊かな緑に覆われた山と赤屋根の建物が見え、「ゆしま」と歓迎した文字が見えました。
この眺めを目に焼き付けながら、再訪を静かに誓う時間となりました。
やがて、湯島は青い海と空に溶けるように遠ざかり、船の航跡だけが静かにその余韻を残します。
日常に戻る前の、ほんのひとときの旅の締めくくりです。
諏訪神社のギャラリー