
阿蘇の山々に抱かれるように静かに佇む「高森阿蘇神社」。矢が導いたという神秘の伝承を今に伝え、四季折々の自然とともに訪れる人の心をそっと癒してくれます。
境内に広がる樹齢400年を超える南郷檜の森や、春に咲き誇る豊年桜、そして神話の舞台となった御矢石。
そのすべてが、まるで時を超えた旅へと誘うかのよう。
今回は、地元の人々に愛され続けるこの神社の魅力を、御朱印や祭事とともにたっぷりご紹介します。
・神話に彩られた“矢”の伝承
・樹齢400年超の巨木と「豊年桜」
・地元に根付いた静寂な癒し空間
Contents
高森阿蘇神社の概要
名称: | 高森阿蘇神社 |
---|---|
読み方 | たかもりあそじんじゃ |
住所 | 〒869-1602 熊本県阿蘇郡高森町高森354-2 |
創業 | |
電話番号 | 0967-62-0372(宮司宅) |
参拝可能時間 | 24時間 |
社務所受付時間 | 9:00~17:00 |
御朱印有無 | あり: |
駐車場 | 無料:約20台 |
例祭日 | 7月30日/9月29日 |
公式サイト | – |
公式instagram | – |
高森阿蘇神社のアクセス方法・行き方
・高森駅から徒歩約22分
・白河水源から車で7分
経路
県道28号線から県道319線入り、南下していくと、左手側に鳥居が見えてきます。
鳥居前を左折すると、ちょっとした坂道が出てきます。
この坂を上り切って左手側に駐車場があります。
駐車場
駐車場は、大体20台が駐車可能です。
高森阿蘇神社の由緒・御祭神・御利益
由緒・歴史
高森阿蘇神社は、もともと「矢村社」と呼ばれ、現在は阿蘇十二神のうち、健磐龍命と阿蘇都比咩命を主祭神として祀る古社です。
相殿には、三宮・国龍命を含む19柱の神々を木像・石像で祀っています。
かつては裏山の宮山に鎮座していましたが、約400年前に現在地へ移されました。
神社の起源は、健磐龍命が阿蘇の国づくりの際に放った神矢(卜矢)に由来。
一本は阿蘇神社、もう一本は高森の大石に当たり、「御矢石」と呼ばれるようになりました。
この御矢石のそばに神矢を納めた社を建てたのが「矢村社」の始まりとされています。
境内には、戦国時代に植えられた南郷檜やメアサ杉がそびえ立ち、林業の研究者からも高く評価されています。
毎年7月30日に例祭と神輿行列、8月17〜18日には300年続く風鎮祭(風を鎮め五穀豊穣を願う祭)が開催されます。
また、南郷谷で最も早く咲くとされるエドヒガン「豊年桜」の名所でもあります。
御祭神
健磐龍命 | 阿蘇神社の主祭神であり、阿蘇を開拓したとされる開拓神・農耕神。 神武天皇の孫で、「阿蘇を水で潤し、国土を切り開いた」とする伝承があり、火口湖を干し、田畑を作った英雄神として知られている。 |
阿蘇都比咩命 | 健磐龍命の妃神とされる女神で、穀物・豊穣・女性守護の神。 阿蘇の地に豊かさをもたらす母性的な神格を持ち、女性や家庭の守り神として信仰される。 |
国龍命 | 阿蘇十二神の「三宮(さんのみや)」で、健磐龍命の子または孫神とされることが多い神。 阿蘇地方の統治・守護を担う神で、地域に根ざした守護神的な存在。 地域ごとの阿蘇神社で脇殿・相殿に祀られていることも多く、阿蘇一族の神々のひと柱。 |
御利益
ご利益 | 病気平癒 · 無病息災 · 健康祈願 · 所願成就 |
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高森阿蘇神社の御朱印
社務所
本堂の右手側に社務所がありますが、時間帯によって無人です。
中ではお守りなどを売っています。
御朱印をもらうときは、道路に出ます。
駐車場から右手側、2つ目が宮司様のご自宅になり、御朱印を頂戴できます。
御朱印
中央に力強く「高森阿蘇神社」の御名が墨書され、背景には山を象った朱印が重なり神々しさを感じさせます。
右上には「夫婦杉」の印も押されており、夫婦円満や縁結びのご利益を願う方にとっても特別な一枚です。
高森阿蘇神社の境内の様子
鳥居
正面鳥居は、苔むした石段と杉の大木に包まれ、厳かな雰囲気を漂わせています。
右手の石柱には「高森阿蘇神社」と刻まれ、力強く立つ石鳥居の奥には拝殿が静かに佇み、参道を進むごとに神域へと導かれる感覚を味わえます。
高森阿蘇神社の駐車場側に位置する白い石鳥居で、参拝者を静かに迎えるもう一つの入口です。
鳥居の奥には杉の巨木がそびえ立ち、自然と神域が調和した美しい光景が広がります。
注連縄がかけられ、神聖な結界であることを感じさせます。
打手水
手水舎で、参拝前に心身を清めるための神聖な場所です。
新しく整えられた木造の屋根が印象的で、清らかな水が静かに湧き出ています。
周囲には自然の緑が広がり、森の中で清められるような心地よさを感じさせます。
手水鉢で、自然石をくり抜いた重厚な造りが特徴です。
中央には蛇口が取り付けられており、現代的な利便性と伝統の融合が見られます。
狛犬
口を閉じた「吽形(うんぎょう)」の狛犬で、静かに神域を守護する頼もしさがにじみ出ています。
「阿形(あぎょう)」の狛犬で、口を大きく開けて魔を払う力強さを象徴しています。
全身に苔がむし、長年この地を守り続けてきた風格が漂います。
相撲場
高森阿蘇神社の境内にある土俵で、神事としての奉納相撲が行われる神聖な場所です。
注連縄で囲まれた土俵は、神と力士をつなぐ儀式の場として厳かに整えられています。
苔むす灯籠や狛犬が見守る中、自然に包まれた空間で古来の伝統が今も息づいています。
本堂
高森阿蘇神社の本殿で、立派な杉の御神木に囲まれた神聖な空間に鎮座しています。
石段を上ると、注連縄が張られた拝殿が姿を現し、静寂の中に凛とした気配が漂います。
左右には狛犬や石灯籠が並び、古くから人々の信仰を集めてきた重厚な雰囲気を感じさせます。
拝殿で、木の温もりを感じる素朴ながらも格式高い佇まいが印象的です。
中央には大きな鈴と注連縄が吊るされ、参拝者が心を込めて祈りを捧げる神聖な場所となっています。
左右には石灯籠や献灯も配され、自然と信仰が調和した穏やかな空気に包まれています。
立派な注連縄と鈴が掲げられ、神聖な雰囲気がひときわ高まります。
紙垂(しで)が風に揺れ、厄を祓い清める力が境内に広がっていくようです。
奥には太鼓や奉納札が見え、地域の人々の祈りと信仰が息づいていることが伝わってきます。
本殿と拝殿を横から望んだ一枚で、木造の美しい社殿が森に溶け込むように建っています。
屋根には千木(ちぎ)と鰹木(かつおぎ)が見られ、伝統的な神社建築の様式を色濃く残しています。
背後にそびえる杉の森が神聖さをさらに際立たせ、訪れる人々を静寂と敬意の空気で包み込みます。
拝殿内部で、素朴な木造空間の中に神聖な祭壇が丁寧に整えられています。
壁や天井には歴史ある奉納絵馬や武人画が飾られ、地域の信仰と伝統文化の重みを感じさせます。
南郷檜母樹
「南郷檜母樹(なんごうひぼじゅ)」を示す石碑と案内板で、樹齢800年以上の由緒ある神木です。
背後に見える手水舎と阿蘇の山並みが、この地が自然と神が共にある特別な場所であることを物語っています。
説明板には、この地に伝わる絵馬や信仰の歴史が記され、神社の文化的価値を深く伝えています。
天照皇大神宮
高森阿蘇神社境内に祀られている「天照皇大神宮」で、格式ある瓦屋根と注連縄が神聖さを際立たせています。
中央には小さな賽銭箱が置かれ、訪れる人々が静かに手を合わせる姿が想像されます。
観音堂
高森阿蘇神社の奥にひっそりと佇む観音堂で、杉木立に囲まれた静寂な森の中にあります。
木造の素朴な建物の中には、観音菩薩が丁寧に祀られ、訪れる人に安らぎと祈りの時間を与えてくれます。
左右の石灯籠が長年この場所を守ってきたように、ここもまた地域の信仰の深さを感じさせる聖域です。
観音堂内部に安置された観音菩薩像で、荘厳な厨子の中に静かに座し、優しく穏やかな表情で参拝者を迎えます。
色鮮やかな蓮華座や装飾が施された屋根が、信仰の深さと長い歴史を物語っています。
左右には脇侍や供えられた花々、お供物が並び、地元の人々の祈りと敬意が今も絶えず捧げられていることが感じられます。
観音堂の一角に置かれた「延命十句観音経(えんめいじっくかんのんぎょう)」で、観音菩薩への祈りを短い十句で表したお経です。
古びた紙に筆文字で記されたその姿から、長年にわたって多くの参拝者が命や健康を願って唱えてきたことがうかがえます。
記念碑
境内にそびえる石造の五重塔で、供養や祈念のために建てられた記念碑です。
苔むした表面と重厚な造りから長い年月を感じさせ、周囲の杉木立と調和して厳かな雰囲気を醸し出しています。
隣には瓦屋根の小祠が寄り添い、神仏習合の面影も感じられる静寂な一角です。
石灯籠
高森阿蘇神社の参道沿いに立つ石灯籠で、年月を重ねた苔むした風合いが神域の深さを物語っています。
灯籠は参道を照らす役割だけでなく、神前への導きを象徴する重要な存在です。
神興庫
「神興庫(しんこうこ)」で、祭礼の際に用いられる神輿(みこし)を大切に保管するための建物です。
木造の素朴な造りと苔むした屋根が、長年地域とともに歩んできた歴史を感じさせます。
正面には注連縄が張られ、内部も神聖な空間として丁寧に守られていることが伝わってきます。
境内
高森阿蘇神社の境内の風景で、杉や広葉樹が立ち並ぶ豊かな森に包まれた神聖な空間です。
木漏れ日が差し込む静かな参道には石灯籠や鳥居が点在し、歩くごとに自然と心が落ち着いていきます。
四季折々の表情を見せるこの場所は、地元の人々にとって癒しと祈りの場として親しまれています。
高森阿蘇神社のギャラリー