
熊本市北区・龍田の地に鎮座する立田阿蘇三宮神社は、「筋の神様」として古くから信仰を集めてきた、阿蘇信仰ゆかりの神社です。
阿蘇神社の神々を祀る由緒正しい社でありながら、観光地化されすぎていない静かな空気感があり、地元の暮らしと信仰が今も息づく神社として親しまれています。
この記事では、立田阿蘇三宮神社の歴史・御利益・参拝ポイントを、初めての方にもわかりやすくご紹介します。
・石の割れ目から水が流れる珍しい打手水
・阿蘇神社一宮〜四宮に連なる神々を祀る由緒
・御神木「筋無木」に伝わる、珍しい御神徳
Contents
立田阿蘇三宮神社の概要
| 名称: | 立田阿蘇三宮神社 |
|---|---|
| 読み方 | たつたあそさんのみやじんじゃ |
| 住所 | 〒861-8006 熊本県熊本市北区龍田1丁目5−1 |
| 創業 | 元弘2年(1332年) |
| 電話番号 | 096-339-6761 |
| 参拝可能時間 | 24時間 |
| 社務所受付時間 | 9:00〜14:00頃 |
| 御朱印有無 | あり |
| 駐車場 | あり(無料・約40台) |
| 例祭日 | 10月25日 |
| 公式サイト | – |
| 公式instagram | – |
立田阿蘇三宮神社のアクセス方法・行き方
・熊本ICから約20〜30分
・JR豊肥本線「竜田口駅」下車後、徒歩約20分
経路

立田阿蘇三宮神社へ向かう道路沿いから見た入口周辺。
住宅地と道路に面した場所にありながら、鳥居と社叢の緑が目に入るところが特徴的。
初めて訪れる方にとっては、「本当にこの先で合っているのかな?」と思う瞬間でもありますが、この風景が見えたら間違いなく正解です。
駐車場

立田阿蘇三宮神社の参拝者用駐車場は境内に隣接しており、比較的台数にも余裕があります。
初めて訪れる方や、家族連れの参拝でも安心して利用できます。
立田阿蘇三宮神社の由緒・御祭神・御利益
由緒・歴史

立田阿蘇三宮神社は、元弘2年(1332年)に創建された神社です。
阿蘇神社から神霊を勧請して建立された、阿蘇信仰の系譜に連なる社です。
もともとは白川沿いに鎮座していましたが、水害の影響を受け、江戸時代(1661年)に現在の龍田の地へ遷座しました。
街道沿いに移されたことで、交通安全・地域守護の神社としても信仰を集めます。
御祭神
| 国龍神 | 国土や大地そのものの力を象徴する龍神。 「国」という文字が示す通り、人の営み以前に存在する自然そのもの、特に大地の気や水の流れ、土地の生命力を司る神と考えられてきた。龍神は古来より水と深く結びつき、雨をもたらし、川や湧水を守り、土地に潤いと恵みを与える存在として信仰されている。 |
| 比咩御子神 | 「比咩(ひめ)」と「御子(みこ)」という名が示すように、女性的で巫女的な性格を持つ神格とされている。荒々しい力で物事を動かすというよりも、調和を保ち、命をつなぎ、心身を穏やかに整える役割を担う神。 |
| 健磐龍命 | 阿蘇神社の主祭神としても知られる、阿蘇信仰の中心的存在。神話では、阿蘇の地を切り拓き、国土を形づくった神とされ、非常に力強い神格を持つ。その名に含まれる「健」は強さやたくましさを、「磐」は揺るがぬ岩のような安定を、「龍」は自然の根源的な力を表す。 |
| 阿蘇都比咩命 | 健磐龍命の后神とされる女神で、阿蘇の地を豊かに育む存在として信仰される。健磐龍命が切り拓いた土地に命を根付かせ、実りをもたらす役割を担い、農業や食、出産、育成と深く結びつく。荒々しい開拓の力に対し、阿蘇都比咩命は育み、守り、成長させる母性的な力を象徴する神。 |
御利益
| ご利益 | 筋・神経の病気平癒・健康祈願・無病息災 家内安全・交通安全・厄除け・開運 |
立田阿蘇三宮神社の御朱印
社務所
参拝を終えたあと、境内の左手に社務所があります。
瓦屋根と木造の落ち着いた造りが特徴で派手さはありませんが、長年大切に守られてきたことが伝わる佇まいです。

社務所前に設けられている、授与品・おみくじの案内スペース。
色分けされた案内板が掲示されており、参拝者が順番に案内を待つ仕組みです。

社務所入口付近の写真で、「守札授与所」と書かれた木製の札が目印になっています。
ガラス越しに境内が映り込み、外と内がゆるやかにつながるような造りが特徴的。
大きな案内表示ではなく、木札のみという点も、神社全体の落ち着いた雰囲気と調和しています。
御朱印

立田阿蘇三宮神社で授与される御朱印。
中央に大きく力強く書かれた「三宮神社」の墨書が印象的で、一目で格式のある神社であることが伝わってきます。
朱印には「奉拝」の文字が添えられ、参拝の証として正式に授与された御朱印であることが分かります。
お守り

社務所内に並べられたお守りや授与品の棚。
健康祈願・交通安全・厄除けなど、一般的な神社のお守りが中心で、実用性を重視した印象があります。
立田阿蘇三宮神社は「筋の神様」として知られているため、体調や健康に関する願いを込めて選ばれる方が多いと考えます。
立田阿蘇三宮神社の境内の様子
鳥居

境内入口に立つ、直線的で装飾を抑えた造りが特徴の木造の大鳥居です。
鳥居の左右には石造の狛犬が一対で配置され、参拝者を迎え入れながらも、神域を守る役割を果たしています。
狛犬
参道入口付近に鎮座する狛犬(阿形)。
口を大きく開いた阿形の狛犬は、邪気を払い、悪いものの侵入を防ぐ役割を担っています。
表情は力強いですが、威圧的すぎず、参拝者を迎え入れつつも、神域を守る存在としてのバランスが感じられます。

対になる口を閉じた狛犬(吽形)は、「すべてを内に収める」「願いを守る」意味を持つとされています。
阿形と吽形が揃うことで、始まりと終わり、外と内、動と静が調和し、神域の結界が完成すると考えられています。
この2体の狛犬を見比べた後に参道へ進むことで、自然と気持ちが整っていくのを感じられます。
参道

奥に見えるのが中門で、その先に拝殿・本殿があります。
参道はまっすぐに伸び、左右を木々に囲まれた、とても静かで落ち着いた空間です。
参道を歩く中での足音や風の音、木漏れ日が心に残ります。
打手水
立田阿蘇三宮神社の打手水は一般的な手水舎とは異なり、中央に据えられた大きな石の割れ目から水が流れています。
非常に珍しく、この神社ならではの印象的な見どころの一つです。

石の中央に走る深い割れ目がはっきりと分かります。
そこを通って流れる水は、「滞りを流す」「区切りをつける」という意味を持つとされます。
本堂

重厚な屋根と、太く張られたしめ縄が印象的で、長い歴史と地域信仰の厚みを感じさせます。
誠実で落ち着いた雰囲気があり、自然と姿勢を正して参拝したくなる場所です。
御神木(筋無木)
立田阿蘇三宮神社の御神木である「筋無木(すじなしき)」は、長い年月をかけてこの地を見守り続けてきた存在です。
神社においては神霊が宿る「依り代」として大切にされています。

「筋無木」の由緒を詳しく記した案内板。
案内板には、この御神木が古くから筋の病や身体の不調平癒に霊験あらたかであると信じられてきたことが記されています。
「筋無木」という名称は、
『筋の痛みやこわばりが和らぐように』
『病の“筋”が消えるように』
という人々の願いが込められた呼び名だと考えられます。
水掛け願掛け狛犬
こちらは、立田阿蘇三宮神社の名物ともいえる「水掛け願掛け狛犬」です。
案内板には、
一杯:お清めの水
二杯:お願いの水
三杯:願成就のお礼の水
と記されており、
水をかける行為そのものが参拝の作法になっています。
ただ願うだけでなく、「清め → 願い → 感謝」という流れを大切にする点が、特徴です。

実際に狛犬へ水をかけている場面。
柄杓でそっと水を注ぐと、石肌を伝って静かに水が流れ落ちていきます。
勢いよくかけるのではなく、願いを込めながら丁寧に行うのがポイントです。
伊勢神宮遙拝所

遙拝所とは、遠方にある神社をその場から拝むための場所です。
ここは、伊勢神宮(内宮・外宮)を遥かに仰ぎ、参拝できるようになっています。
伊勢神宮まで足を運ぶことが難しい方でも、ここで心を整え、日本の総氏神に手を合わせることができるのは大きな魅力です。
絵馬掛け

境内に設けられた絵馬掛けです。
木製の絵馬が整然と掛けられており、一つひとつに参拝者の願いや感謝の言葉が込められています。
「心願成就」「家内安全」「健康祈願」など、派手な言葉は少なく、日々の暮らしに寄り添った願いが多いのが印象的。
天満宮
立田阿蘇三宮神社の境内に鎮座する天満宮。
天満宮は、学問の神様として知られる菅原道真 を御祭神とするお社です。
受験や資格試験、仕事での知識習得など、「学び」に関わる節目で訪れたい場所です。

天満宮の社名が記された案内板です。
「天満宮」の文字とともに、「学問の神様」とはっきり記されており、初めての参拝者にも分かりやすい案内となっています。
境内社でありながら、信仰対象が明確で、目的を持って参拝しやすい点が特徴です。

天満宮に祀られている御祭神の説明板です。
学問・芸術・文化の向上にご利益があるとされ、学生だけでなく、仕事や表現活動に向き合う人にも信仰されていることが分かります。
「学ぶことを続けたい」「知恵を深めたい」
そんな思いを持つ方に、特におすすめの境内社です。
龍王大明神
立田阿蘇三宮神社の境内奥に鎮座する龍神社(龍神さま)へと続く鳥居と参道です。
鳥居には力強く「龍神」と掲げられており、この先が本殿とは異なる、もう一段深い信仰の場であることを示しています。

龍神社の社殿正面は、左右に石灯籠が配置され小ぶりながらも整った造りをしています。
龍神信仰は、水・運気・流れ・再生と深く関わるとされ、人生の転換期や、流れを変えたい時に参拝されることが多い神さまです。

龍神社の社殿正面に掲げられた「龍王大明神」の扁額です。
案内板には、
・厄災消除
・風水難除
・金運開運
といった御利益が記されています。
特に、『流れを整える・停滞を断ち切る』といった意味合いで信仰されているのが特徴的。
仕事・人間関係・お金・環境など、「うまく回っていない」と感じる時に、心を込めて参拝したい場所です。
七福神社

境内にある七福神社は、「七福神萬社 大願成就」と掲げられた社。
小さな社殿ながら、福をもたらす神々を一堂に祀っており、商売繁盛や家内安全、開運招福など幅広い願いを込めて参拝されます。
稲荷大明神

朱色の鳥居が目を引く稲荷大明神は、立田阿蘇三宮神社の境内社の一つ。
稲荷信仰は五穀豊穣や商売繁盛と深く結びついており、個人の願いから事業の発展まで、さまざまな祈りが捧げられてきました。
車御祓

境内の一角には「車御祓」と記された案内が立っています。
こちらは自動車のお祓いを受ける際の目印となる場所です。
交通安全や無事故を願う参拝者が多く訪れ、日常の移動そのものを神さまに見守っていただくという、現代的な信仰の形が感じられます。
































