
深い森に包まれ、静寂の中にたたずむ「谷水薬師堂」。
室町時代から続く歴史、薬師如来への厚い信仰、そして今も湧き続ける霊水「月光水」。
苔むした参道を一歩ずつ進むたびに、心がそっと洗われていく——。
ここは、ただの観光地ではありません。
自然と仏の気配が共鳴する、祈りと癒しの聖地。
この記事では、そんな谷水薬師堂の魅力を写真とともにご紹介します。
喧騒を離れ、あなたも“祈りの時間”を旅してみませんか?
・日本七大薬師のひとつに数えられる霊場
・楼門に立つ木造仁王像(阿形・吽形)
・霊水「月光水」の湧き出る地
新宮谷水薬師堂の概要禪寺の概要
名称: | 谷水薬師堂 |
---|---|
読み方 | たにみずやくしどう |
住所 | 〒868-0423 熊本県球磨郡あさぎり町上南3265-2 |
創業 | 1425年 |
電話番号 | 0966-45-7220 (あさぎり町教育委員会) |
参拝可能時間 | 24時間 |
社務所受付時間 | – |
御朱印有無 | なし |
駐車場 | あり:約30台 |
例祭日 | 1月8日、春と秋のお彼岸、土用の丑の日 |
公式サイト | – |
公式instagram | – |
谷水薬師堂のアクセス方法・行き方
・あさぎり町役場から車で約12分
・人吉IC乗降口から車で約31分
経路
剣道260号線を直進する。
左手側に木造の案内所が見えるので、左折して入る。
駐車場
谷水薬師堂の駐車場は広く、ファミリーカーでも安心して駐車可能です。
瓦屋根の建物はトイレや休憩所として整備されており、参拝者が安心して立ち寄れる環境が整っています。
谷水薬師堂の由緒・御祭神・御利益
由緒・歴史
谷水薬師は、日本七大薬師のひとつとされており、薬師如来を本尊とする由緒あるお寺です。
本堂は町の重要文化財に指定され、周辺も名勝として文化的価値が高い地域です。
このお寺は、1425年に中球磨の豪族・上村氏が弘尊上人とともに建てたものとされ、もともとは「谷水山東円寺」の金堂だったと伝えられています。
その後、戦火や火災で何度も焼失しましたが、信仰の厚さにより再建され、現在も多くの人々に信仰されています。
町内だけでなく、県外からも参拝者が訪れるほどです。
本尊
薬師如来 | 薬師如来は、病気を癒し、心身の健康をもたらすとされる仏様。「医薬の仏」「東方浄瑠璃世界の教主」として古くから信仰される。 |
御利益
ご利益 | 病気平癒・無病息災 |
谷水薬師堂の御朱印
御朱印はありません
谷水薬師堂の境内の様子
駐車場から行き道
駐車場に車を停めると、徒歩で「水薬師堂」へ向かいます。
最初の分かれ道がありますが、右下の方へ進んでください。
右側の小道は自然に近い雰囲気が残る散策路で、森林の中を歩くような感覚で谷水薬師堂へと向かうことができます。
道中は鳥の声と木々のざわめきに包まれ、心が静かに整っていくひとときです。
案内図
この地図は、熊本県あさぎり町にある「谷水薬師堂」とその周辺の案内図です。
薬師堂を中心に、千手地蔵や水車小屋、五重塔、上村氏の墓所など、多くの信仰・歴史・自然の見どころが点在しています。
時間がある場合は、ぜひ周辺の観光地に足を運んでみてください。
楼門
谷水薬師堂の楼門(ろうもん)です。
苔むした石橋を渡ると現れるこの門は、深い森に抱かれながら静かに佇み、聖域への入口として訪れる者を迎え入れます。
木造瓦葺の素朴で味わい深い造りと、左右に安置された赤い仁王像が印象的で、この門をくぐることで俗世から離れ、祈りの世界へと心が切り替わる感覚を味わえます。
仁王門と木造仁王像の要約
谷水薬師堂の入り口に立つ仁王門と、そこに安置された木造の仁王像は、この霊域を守る象徴的な存在です。
阿形(あぎょう)・吽形(うんぎょう)の2体の像は、江戸時代中期に造られたと伝わり、明治30年の火災でも焼け残るなど、長い時を超えて現在まで守り継がれてきました。
使用された木材は、樹齢450年を超えるイチョウの巨木。
力強い姿からは、悪を払い仏法を守るという仁王像の役割が強く感じられます。
その姿は、俗世との境界に立ち、訪れる人々を神聖な祈りの空間へと導く門番のような存在です。
今もなお、多くの参拝者に畏敬の念と安心感を与えています。
仁王像
谷水薬師堂の楼門に安置された仁王像のうちの一体、「阿形(あぎょう)」像です。
口を開けて「阿(あ)」の音を発する姿は、宇宙の始まりを象徴し、すべての命の源を表しています。
鮮やかな赤色の身体と力強い表情で、邪気を払い、聖域を守る守護神としての存在感を放っています。
参道を進む人々に対して、「ここから先は神聖な領域」という厳かな境界を示しています。
谷水薬師堂の楼門に安置された仁王像「吽形(うんぎょう)」です。
口を閉じた姿で「吽(うん)」の音を表し、万物の終わり・完成を象徴します。
「阿形」と対をなして、宇宙の始まりから終わりまでを守る存在とされています。
真っ赤な身体と鋭い視線が印象的で、静かなる力強さを湛えながら、訪れる人々を見守っています。
谷水薬師堂の仁王像には、ちょっとユニークな信仰があります。
口で噛んだ紙つぶてをこの仁王像に向かって投げ、見事に自分の悪い部分に当たると、病が癒えると言われているのです。
「ちょっと口で噛むのは抵抗がある…」という方もご安心を。門の脇には水入りペットボトルが置かれていて、ティッシュを濡らして投げるスタイルでもOK。
訪れる際は、ぜひティッシュを持参して、昔ながらのユニークなご利益体験をしてみてください。
参道
この写真は、谷水薬師堂へと続く荘厳な参道の風景です。
苔むした石灯籠が両脇に並び、静寂と神聖さに包まれた空間が広がっています。
木々に囲まれた石段を一歩ずつ進むごとに、日常から離れ、心が清められていくような感覚に導かれます。
まるで自然と一体になって薬師如来のもとへ向かうような、厳かで美しい参道です。
帰りの参道は、写真のように綺麗に写ります。
大自然の中で、帰りを見守ってくれます。
打手水
谷水薬師堂の手水舎は、静けさの中に凛とした気配が漂う、心を整える場所です。
上の手水舎のお水が、下の方の受け皿に溜められています。
竹筒から流れ落ちる清らかな湧き水は、参拝者の手と心を静かに洗い清めてくれます。
本堂
谷水薬師堂の本堂正面を捉えたものです。
深い森に包まれるように佇む本堂は、室町時代の創建と伝わる歴史ある建物で、静寂と荘厳さをまとった佇まいが印象的です。
参拝者様の方へ。
本堂内に入る際は、扉を閉めて入りましょう。
また本堂から出る時も、電気は消して、扉を閉めることを忘れずに。
扉は迫力ある龍神が描かれております。
本堂は扉を開けて入ることが可能です。
入る際は、消灯や扉を閉めるなど配慮しましょう。
本堂内
受付の所にスタンプラリーのスタンプ台などがあります。
本堂内は、静けさがあります。
左奥に電気の紐があるため、点灯すると本堂内のことがわかります。
お賽銭箱の横には、おみくじや蝋燭など揃えています。
左側の壁には子供達のお手紙があります。
つい、1枚ずつ読んでしまいますね。
「谷水薬師如来を守る十二神将」の弾幕が飾られています。
奥には祭壇や神輿が見え、神聖な空気が静かに漂っています。
訪れる人が心を落ち着け、ゆっくりと祈りを捧げられる、素朴で温もりのあるお堂です。
裏の池水
谷水薬師堂の裏手にひっそりと佇む池の風景です。
木々に囲まれ、静かに水をたたえるこの池は、まるで時が止まったかのような幻想的な雰囲気を醸し出しています。
水面には苔むした石や落ち葉が浮かび、自然のままの姿が保たれており、参拝の余韻に浸りながら心を落ち着ける場所として訪れる人の心を癒します。
月光水
谷水薬師堂の名水「月光水(がっこうすい)」の湧き出る場所です。
薬師如来の霊験にちなんで湧くと伝えられるこの清水は、古くから「病を癒す水」「延命長寿の水」として信仰されてきました。
周囲を森に囲まれた静謐な場所で、竹筒から流れ出る一筋の水は、まるで自然の恵みそのもの。
参拝者はこの水に手を合わせ、心身の浄化と健やかさを祈ります。